英国大学図書館研修

 体験談レポート 河端さん (大学図書館勤務)  

  • イギリス人の考え方、価値観について

  • イギリスでの図書館間相互利用のシステムを学ぶ

イギリスに来て3ヶ月が経ち、生活にも慣れてきたところで、イギリスの考え方・価値観について色々感じることが多くなりました。もちろん、細かい生活習慣の違いは挙げだしたらきりがない位あります。後ろの人の為にドアを開けておくのが当然のマナーであったり、お店のレジのスタッフと最初ににっこりと挨拶するのが普通であったり。環境問題に対する意識は、明らかに日本の方が高いです。リサイクルのシステムは一応ありますが、あまり世間に浸透していないように思われます。各家庭で余った料理・食材は躊躇なく捨てられていますし、使い捨ての物が大変多いです。その表面的な違いの底には、価値観の大きな違いがあるのだろう、と思うようになりました。
  この国の歴史を考えると、世界でいち早く発展し、植民地をどんどん増やし、その植民地を駆使してさらに発展し、そして世界大戦も二度とも戦勝国となり、現在に至っています。戦後に経済の停滞はありましたが、日本の「敗戦」のように、ネガティブな歴史上の事実がありません。このことが、こちらの人々に、日本人のように内省的な価値観がないことの理由の一つのような気がします。資源を消費していくことに対してためらいがないように感じられるのです。
 資源についてだけではなく、もっと広い意味で、自分たちのやってきたこと・これからやることに対して、大変ポジティブな姿勢を感じます。過去を振り返り、反省するのではなく、今までやってきたことを肯定して、それを続けていくという姿勢です。自己を省みることをよしとする日本の文化とは反対のものです。どちらがよいというものではありませんが、これからもイギリスで生活していく上で、この違いについて大変興味深く感じています。

イギリスでの図書館間相互利用のシステムを学ぶ

九月下旬より、遂に図書館での研修が始まり、今までの語学コースとは全く違った忙しさの中で生活しています。私の研修先は、Londonの北に位置するBarnet区の公立図書館で、16館あるbranchの中の2館で実際に研修を行います。6週目までは、1館めの図書館で、選書・購入・登録・配送・図書館間相互利用などを扱う部署にいます。
Barnet区でこういった形での研修生受入は全く初めてのことだそうで、本当に温かく歓迎して頂いています。図書館を含むCulture部門の管理職スタッフがコンタクトパーソンで、イギリスに出発する前から、国際電話でインタビューを設定して頂き、研修のスケジュール表なども細かく用意して頂きました。実際に研修が始まってからも、図書館だけでなく、区の同部門のメインオフィスのスタッフにもできるかぎり紹介され、各会議に同席させてもらい、スタッフの一員として扱って頂いています。
私の研修には、二つの内容が盛り込まれています。一つは、私の希望の、イギリスでの図書館間相互利用のシステムを学ぶ、というもので、もう一つは、Barnet区の希望の、日本語蔵書の整備と、日本人利用者の獲得です。最初の6週間で相互利用を含む図書館システムを学び、次の4週間で、日本語蔵書のあるもうひとつの図書館で、実際に現場に立って、カウンター業務を学びながら、日本語蔵書の整備・購入、日本人コミュニティを対象にしたイベントなどの企画などを行う予定です。その後は両方を行き来して研修予定です。
学ぶだけでなく、実際に自分が結果を出さなければならないので、責任が大変重いのですが、それだけやりがいのあることだと感じています。まだまだこれからですが、頑張ってゆきたいと思っています。