米国特許法律事務所研修

  海外研修体験談  近藤さん(近畿大学)   

「 海外の生活の中で気づいた事・発見した事・印象に残っている事」

一番印象に残っていることはインターンシップが決まったことです。日本では図書館司書でインターンをしようと思っていましたが、渡米後ワシントンDCにある図書館を訪問しシステムを調査しているうちに、私がしたいと思っていた図書館の仕事は図書館専門の大学院出
た後になることがわかりました。米国図書館は世界で専門性の高い図書館教育をしていますし日本とは使っている方式やシステムが根本的に違います。そうなるとインターンをしながらでもまた一から米国の司書の勉強をしなければならないことがわかりました。限られた時間でどうやって充実させようかと悩みましたが、結局他の分野にも挑戦することを決めました。これは2週間の休みでついに会うことができたシアトル・マリナーズのスカウト部長補佐をされている末吉さんとの出会いがきっかけとなりました。私は6ヶ月研修コースですが、3ヶ月研修コースの研修が終わる7月中に私も同じようにインターンシップを決めてより長く多くの経験を積みたいと密かに思っていました。そんな時に特許法律事務所のインターンシップがあるということを知り、直感でこの仕事をやりたいと思いました。そこですぐにレジュメを整え提出しました。次の日に電話をもらい、面接を受け、その日のうちに明日から来て欲しいという返事をもらいました。まだあと2ヶ月間研修が残っていますので、今は空いている時間を仕事に当ててIIPの授業も受けるという忙しい毎日を過ごしています。
海外生活の中で気付いた事は、まずやってみようと思う事が大切だということです。何をするのでも思いとどまったり悩んだりしますが、十分悩んだり考えた後は必ず実行することです。自分からやりたいと思うことを行動に移せば考えていることを相手に伝えることができ、またいろんな情報を他の人からもらうことができるということがわかりました。

特許事務所でのインターンシップ

私の研修先はWesterman, Hattori, Daniels&Adrian, LLP (WHDA)というワシントンDCにある特許法律事務所です。この法律事務所は4人のパートナー弁護士が共同で立ち上げ、それをサポートするAttorney、そしてそれぞれの分野のスタッフから成り立っています。
40人いるうち、15人が日本人です。平均年齢40歳は法律事務所では異例の若さとなります。
 今、日本では特許戦争時代と言われているそうです。日本の高い技術を持って開発された製品は必ず世界を視野に入れて特許を考えなければなりません。企業にとっては億単位の支出になることもあり、そのために必ず特許申請部署が設置されています。そこで、WHDAではクライアントの多くが日本企業であることから、安心して、また的確に特許が出願できるように日本人とネイティブの両方でサポートしています。特に機械工学・理化学の分野の特許弁護士がスタンバイしており、日本企業にとっては細かなところまで任せられるという安心感があります。 

 10月1日は会社の一周年記念でパーティがありました。オフィスはとってもアットホームな雰囲気で、みんな家族のように中が良いです。また、日本とアメリカの両方の文化が共存する環境なので、お互いに交流する機会を作っています。毎月誕生日の人を社内メールで紹介し、ケーキを取り寄せてお祝いします。また、月一回のミーティングではサンドウィッチなど軽いランチを取り寄せてみんなで集まって話をします。連絡事項や意見交換をしたり、また、最近の出来事なども話すので、非常にざっくばらんな雰囲気です。そして毎月Best Employeeとしてスタッフの一人が選ばれて賞与されます。
 私の所属する部署はFormality(フォーマリティ)といって、ケース(特許出願)に関するあらゆる書類の作成を担当しています。私を含めて5人がいます。フォーマットに沿って書類を作成していきますが、ケースによって特徴があるので、フォーマット通りにいかないこともあります。また、弁護士、秘書、スタッフ、など全ての人と連絡を取り合って作り上げていくので、コミュニケーションが重要です。
 その他に、日本の企業に送るレターの最終チェックを任されていています。外国人にとって日本人の名前や住所をローマ字で書くのは難しく、やはりタイプミスがあります。そして秘書の人達は常に忙しいのでレターに同封する内容物も確認する必要があります。それをチェックし、クライアントとの取引で不備がないかどうかをみます。書類やファイルの作成などもあるため、毎日かなりの量をこなしてとても忙しいのですが、とても楽しく仕事をしています。私は法学部出身ということで書類だけの仕事だけに限らず、服部弁護士から依頼されて様々な仕事を経験させていただいています。服部弁護士は執筆や連載など多岐に渡って活動をされているので、判例調査や、原稿タイプ打ちなどのお手伝いもしています。
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今回は「実践英語力」についてレポートしたいと思います。

インターンシップを始めてはやくも3ヶ月が経ちました。生活と仕事の両方にも慣れてきて、オフィスの人にも名前を覚えてもらい、挨拶だけだった会話も雑談に花が咲くようになりました。オフィスは3分の1が日本人ですので日本語と英語の両方を使っています。全く母国語を使わないという状況ではないので英語力の向上という点で仕事を始める前はとても心配していました。しかし、その悩みを同僚の日本人の方に打ち明けたところ、大学時代よりもオフィスの方が英語を使っていると言っていました。その人はアメリカの大学を卒業してオフィスに就職した人ですが、この回答には驚きました。自分から話し、聞く。簡単より少し難しいことを毎日繰り返す。そして焦らない。重要なことは自分の英語の実力を無視していきなり難しい英語だけの世界に入ってしまうのが危険だということでした。わからないことがあればすぐに教えてもらえるという今の私の状況は願ってもみない環境で、少しずつではありますが確実にチカラになっていっているとも言ってくれました。というのは、ある日、以前のホームステイ先の人と話したのですが、私の英語を聞いてびっくりしたそうです。びっくりしたというよりショックを受けたと言っていました。ゆっくりしゃべる私のペースは変わっていなかったのですが、話している内容は全てわかったそうです。出会った当初は半分以上私の言ってることがわからなかったということを今になって言われ苦笑いをしました。その人によると、英語に慣れてくるとどうしてもリズムで話そうとするので早口になります。そうすると発音が雑になってしまって結局はわかりづらくなってしまうそうです。ボキャブラリーや言い回しなども日々のちょっとした挨拶ややり取りで積み重なっていきます。そして私は法律事務所ですので弁護士や秘書の方などと雑談をするので非常にためになっていると思います。 
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インターンから弁護士秘書への昇格

7月からインターンを始めて半年が経ちました。担当の業務内容はこの半年のうちにかなり変わりました。当初メインだった仕事のレターチェックは他に引き継ぎ、10月にフォーマリティ(書類作成事務)部署の一員となるために本格的に仕事を習い始めました。12月頃からできることが増え自信もつき、事務所側も事務所に来る新しい依頼が毎月100件以上になって急成長しているが処理がおいつかないという状態でしたので他のことも経験してみたいという私の意見をマネージャーが取り入れてくれ、各弁護士の秘書のお手伝いを始めました。新しいことは全部吸収したかったし、できることは全てやりたかったのです。これはインターンという立場の私だからこそできたことだと思います。そのようにして秘書の仕事を少しずつ覚えていったわけですが、今回1月下旬に服部弁護士から正式に依頼があり、就労ビザを取って服部弁護士の秘書に昇進することになりました。主な業務は、クライアントとのメールやFaxのやりとり、ケースやファイルの管理、出張の準備や会議の全般的なサポート、資料作りがあります。また、服部弁護士はNamed Partner(会社名になっている弁護士=設立者)であるので、責任もかなり大きいものです。訴訟はチームでやるのでケースのヒストリーや状態を把握して他の弁護士にも説明できるようにしておかなければなりません。服部弁護士が訴訟に専念できるようにしっかりとファイルの管理をすることはとても重要な秘書の役目です。今はまだ手探り状態ですが後々には特許出願に関する書類手続きも習い、いつでもどんなことにでも対応できるように自分で広げていこうと考えています。この半年で仕事がどんどん移り変わり大変なこともありましたが、それが評価されたことはとても嬉しいことです。これからはビザを延長して就労ビザの取得にとりかかることになります。                     

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1年間を通して得られたこと

昨年4月にワシントンD.C.に降り立った時には、まさかこんな素晴らしい一年を過ごすことになるとは夢にも思いませんでした。1年間を通して得られたことは「人との出逢い」と「確実なキャリアアップ」です。
 この1年間の生活は全て、人との出逢いの繰り返しで成り立っていたといっても過言ではないと思います。たくさんの人の生き方や人生の選択を見たり聞いたりして、自分の考えを広げていくことが出来ました。私の人生に大きな影響を与えたことは間違いないです。特に同じ会社の日本人の方達の話はとても貴重なものです。苦労していない人はいないですし、それを乗り越えた人達です。
 新卒・無経験・無資格にもかかわらず、今の法律事務所で働いていることはまさに棚ボタ的奇跡でしょう。しかも特許法律事務所としてはランキングが全米30位ですのでキャリアとしても認められます。また、特許分野での研修を通して得られたものは「仕事のスキル」です。まだもう少しトレーニングが必要な部分もありますが、専門用語を理解できますし、確実にスキルを蓄えてきました。気持ちの上でもそうですが、スタッフの対応は既にインターンではなくレギュラーの一員としてみてくれています。
 今後の課題は、語学力です。意思疎通はできているので他の人は私が英語を話せているといいますが、私自身が自分の語学力に納得できていないのでこのまま努力し続けるのみです。時間がかかることは分かっていますので、意識しながら、しかし、楽しみながらということは忘れずにやっていきたいと思っています。
去年の一年間がどのようなものになるのか見当も付かなかったのと同じように、今2年目の春も何が待っているかわからないワクワクした気持ちでいっぱいです。