オーストラリア体育教育研修

 海外研修生体験談 村上さん(山口大学教育学部学生)   
「海外生活で気づいたこと」
 オーストラリアに来て、3ヶ月が経ちました。日本とはまったく異なる環境での生活で、いろいろと気づくことが多々ありました。
 初めの頃は、郷に入れば郷に従え、という風にホストファミリーの行動を観察してから行動していました。また、学校での日本語、体育、家庭科、英語、社会などのさまざまな授業に参加して、日本との違いを理解した上で、常に行動していました。日本人は変な人だと思われないように、初めのうちはとにかく馴染もうとしていました。しかし、ここにきて、周りの人に日本人のことをもっと知ってもらいたいと思い、少しずつ日本にいたときと同じように行動するようになりました。最初は、何かする度におかしい、変わっていると言われましたが、めげずにできるだけの説明をして分かってもらえるように話すようになりました。
 例えば、パンにバターを塗って砂糖をかけると、Yuck!!(げっ)と言われました。私からしてみれば、菓子パンのような感覚で砂糖をかけただけなのに、ここの人たちにとっては日本でいうご飯に砂糖をかけて食べるくらいありえないことでした。
 最近は以前よりまして、積極的に話しかけています。伝わらなくても言い直したり、補足をしたりして、たとえ自分が間違った言い方でも、堂々と話せるようになりました。よく日本人はジャパニーズ・イングリッシュだと言われますが、そのことを余り心配する必要はないと分かりました。分かりやすく言えば、なまりです。例を挙げれば、イギリス英語とアメリカ英語が少し違うように、その人の母国語によって、英語になまりが出てくるのです。そのため、ジャパニーズ・イングリッシュでもいいということが分かり、今では昔に比べて、あまり発音にこだわらなくなりました。発音よりもリズミカルなあいづちや質問の方が話す上で、大切だと感じました。
日豪間の体育の授業の違い
 オーストラリアでの体育の授業に参加していますが、日本との大きな違いは行われているスポーツが違うということです。オーストラリアはイギリスのスポーツが主流であり、フットボールやホッケー、ネットボールやクリケットといったイギリスのスポーツが盛んに行われています。そのため、体育の授業では、ホッケーやアーチェリー、フットボールやゴルフといったイギリス・スポーツとボーリングなどのアボリジニー・スポーツ、そしてバスケットボールや卓球、バレーボールなどの日本でも馴染みのスポーツが混在しています。
 授業の違いは、日本のように準備運動をせずに、ボールなどを使ったゲームでウォーミングアップをしてから本題に入ります。これは、ここだけかもしれませんが。また、特に体育係というのもありません。授業が始まればみんなで準備をして、授業が終わればみんなで片付けます。そして、何より驚いたことは、テストがあることです。実技ではなく、筆記です。この間、7年生(中学一年生)のバスケットボールの授業の最後にテストがありました。これは、基本的な動作の名前やルールなどを正しく認識しているか確認するものでした。体で覚える実技だけではなく、頭で理解する知識を重視していることが分かりました。そのため、生徒全員が審判できるくらいの知識があります。
 ここでの経験は私にとってとても勉強になります。将来、体育の教師を目指しているので、ここでの経験を生かせれたらいいなと思っています。今度、7年生にバレーボールを教えることになりました。12時間分の授業案を書かなくてはいけなくなりましたが、日本式の授業をしたいと思っています。きっと生徒は戸惑うかもしれませんが、せっかくの機会なので頑張りたいと思います。
「研修も残り2ヶ月」
この研修も残り2ヶ月となってしまいました。今まで、小学校で主に日本語を教え、中学校で体育の授業に参加してきました。
体育の授業に関しては日本と違い、初めは戸惑いもありました。準備体操もなく、遊び感覚のゲームから始まります。そして、本題へと移ります。7年生はこれまで、バスケットボール、卓球とバレーボールをやってきました。今はハンドボールをやっています。いずれも最後の授業は筆記テストがありました。私はバレーボールを少し教えました。そして、テストもしました。少人数のクラスなので、一人一人ちゃんとルールを認識しているか先生も確認しやすそうでした。ほとんどの生徒は審判ができるくらいの知識はあると思います。8年生は今、器械体操をしています。ここでは、中学校でマット運動、跳び箱や平均台、吊り輪などを練習しています。私はある生徒たちのグループに入り、一緒にやっていました。一部の生徒は苦手のようで、あまり積極的ではありませんでしたが、自分たちのできる範囲のテクニックを練習していました。やはり基本的に日本とオーストラリアの子どもたちの育ってきた環境が違うせいか、授業や普段の生活から見てみると生徒たちの行動や態度がやはり違うなと感じました。しかも、ここは小さい町なので、学校と地域社会が一緒で、先生、生徒や生徒の親にとってとてもいい環境です。
今学期から小学校の日本語の授業では、柔道を教えています。どうなることやらと思いつつ、始めた柔道も今では大人気です。ここでは、私は11人目の日本語アシスタント教師ですが、やはり柔道を本格的にやるのは私が初めてなので、子どもたちがとても興奮しています。5歳のプレップから12歳の6年生まで、週に一回柔道をしています。今では礼と受身、投げ技を教え終わりました。来週からセカンダリーの8年生の授業でも柔道を教えることになりました。こうなったらラストスパートで柔道を広めたいと思います。