英国教育実習

 海外研修体験談 中谷さん (広島大学教育学部学生。2005年10月出発)   

愛情いっぱいの3ヶ月

早いもので、イギリスに来てもうすぐ3ヶ月が経ちます。こちらにきたばかりの頃は何もかもが真新しく、あっという間に時間がすぎていきました。
 イギリスは日本と同じく島国で、保守的にもかかわらず親しく接してくれる人々もどこか日本人と通じるところがあるように思います。そんな中、私が一番日本と異なると感じた点はイギリス人の愛情表現でした。キスやハグなどの親しみを表す表現は有名ですが、彼らの愛情表現はそれだけにとどまりません。言葉という言葉で自分の大切な人たちに愛情を示すのです。
最初に驚いたのは、ホストマザーが彼女の息子のことを愛情こめて'my~(ホストブラザーの名前)'と呼んだときです。家族の中で同じ名前をつける習慣がある以上、区別をつけるのは当たり前のことかもしれませんが、「愚息」などのへりくだった言葉を持つ日本人からしてみれば、こんなストレートな表現をすることは難しいことだと思います。私自身、'lovely girl'や'sweetie'と呼んでもらい、気恥ずかしい気もしましたが異国の地で安心感を得たのは確かです。
また、学校での子どもたちを褒める言葉もつきません。'Excellent!'や'Well-done!'などの称賛の言葉がたくさんあり、そうやって褒められた子どもたちも愛情表現豊かに育っていくようです。町のあちこちで人形をかわいがっているこどもたちを多く見かけるのは、子ども自身がこんなふうに愛情を注がれているからかもしれません。
これらの出来事は、日本の「謙遜」の文化について考える機会にもなりました。日本では何かと相手よりへりくだって自分を表現し、それが礼儀正しいように考えられていますが、こちらでそのようなことを言うと本気で悪い意味に取られてしまいます。こちらで生活することで、私はたくさんの愛情の示し方や褒め方を学びました。残りの3ヶ月、私はこちらの地域のprimary schoolで日本文化について紹介することになりますが、愛情たっぷりに、謙遜することなく誇りをもって子どもたちに日本文化を伝えていこうと思います。

(2005年12月30日提出)