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  英国公共図書館研修 
海外研修体験談 佐藤さん(慶応大学)
 

「その環境の中で暮らしていくということ」

 海外に来て誰もが最初に思うことは、「日本はなんて便利なのだろう」ということだろう。例に違わず、私もイングランドに到着してから1、2週間、何度となくこと言葉を心の中でつぶやいた。バスは時間通りに来ないし、信号機はボタンを押さなくては変わらない。コンビニエンスストアはないし、こちらで生活し始めて、24時間開いているお店を未だに見たことはない。5時には、ほとんどのお店が店仕舞いを始める。ロンドンでさえ、眠れる町なのだ。イングランドでの生活は驚きの毎日であるのと同時に、耐えなければいけないこと、我慢しなくてはならないことの連続であった。
しかし、3カ月たった今現在、我慢や驚きという言葉は、私の生活からはほぼ消え去った。今では、「日本は便利だった」、「イングランドは不便だ」と感じることはない。むしろ、どちらが便利だとか、便利ではないということは、必ずしも存在しないのだと思う。たとえば、イングランドに生活する人は、自分たちの生活にあった生活環境を作っていて、その環境にあった生活を作っている。反対に、日本に住む人たちは、その環境にあった生活を作り上げているはずだ。イングランドで長い間暮らした人が、日本で生活を始めたとしたら、いくら24時間のコンビニエンスストアが500メートルごとに存在したとしても、不便に感じることはあるのだと思う。
私は自分の生活を、すっかりとまではいかなくても、イングランドスタイルにはめ込むことが出来た。ただ、私が理解し、乗り越えたのは、今は「生活の違い」に過ぎないのだと思う。それは、表面的なもので、これから私が理解していくことの土台でしか過ぎないのだと思う。これから私が理解していくのは、「文化の違い」。今までの3倍の時間で私は、今まで以上の驚き、困難、喜びとともに、多くのことを学んでいくのだと思う。


インターンシップを通して学んだこと

10月からインターンシップを始めて、1ヶ月がたった。私は、Westminster Boroughの図書館の中で、3つの図書館で働く機会を頂いた。2つは、私が最も働きたいreference library、もう1つは現在働いているlending libraryだ。
 まだまだ、戸惑ったり、自分の英語力のなさに落ち込む毎日であるが、日本の図書館との違いをこの目で毎日観察することが出来、全てをひっくるめて楽しい毎日を送っている。
 私が英国の図書館で働き始めて、最も驚いたことは、英国の図書館は、図書館としての役割を見失っていないと言うことだ。図書館としての役割、それはまず最初に、図書館は図書の保存機関、または貸し出し機関ということである。近年は図書以外の媒体、CD、DVDなどぞくぞくと登場し、図書館もそういった媒体の購入、貸し出しを余儀なくされている面がある。だが、その反面で、図書館は大きな問題を抱えている。CD、DVDの最新タイトルを買い揃えてしまうと、図書に割く予算が大幅に減ってしまうのだ。そのため、日本の図書館は、図書以外の媒体を買う予算に困り、本当に少ないコレクションを保持しているか、全く図書以外の媒体を持っていないかのどちらかである。
 だが、英国の図書館は異なる。私も全ての図書館を見て歩いたわけではないので、はっきりとは言い切ることは出来ない。だが、たとえ小さな図書館でも、CD、DVDの最新タイトルを揃えている。なぜそれが出来るか。それは、図書以外の貸し出しに料金を課すからである。なぜ料金を課すのか。実際に図書館員に尋ねたところ、はっとするような答えが返ってきた。「図書館は常に図書を買うお金が必要だから」。とても当たり前のことであるが、日本では中々思いつかない発想であると思う。実際には、著作権の問題があることも考えられるが、図書館員の方がこうした認識を持ち、図書館業務に取り組んでいることが、とても頼もしく思えた。
 私はこれから、残り5ヶ月間で、もっとはっとさせられるようなことを学んでいくであろう。楽しみである。
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インターンシップでの業務について

  私のインターンシップでの業務は、多岐にわたる。一の仕事を6ヶ月間、責任を持ってこなすのではなく、出来るだけ沢山のことを経験していくというスタイルだ。
まず、lending libraryでは、カウンター作業の他に、日本語のコレクションの整理・選書。与えられたスペースはとても小さいものであるが、その限られたスペースでどのように利用者に喜ばれる蔵書を構築するか、マネージャーに意見を仰ぎながら、自分で決断をするという作業は、苦悩を強いられる毎日であった。だが、この作業で私は大きな成果を得、マイナス続きだった日本語図書の貸出率をプラスに押し上げた。
 今現在働いているreference libraryの主な仕事は、利用者からの質問に対し、回答につながるアクセス可能な資料を提供していくと言うものだ。今の時点では、私はコンピューターの利用予約、バックオフィスから雑誌・新聞を取ってくるといった簡単な仕事をしながら、スタッフが質問をどのように解決していくかを観察している。質問が複雑なときはスタッフの解説を求める。スタッフの資料への莫大な知識には、驚かされるばかりだ。この莫大な知識の秘訣はなんなのか。それは、実際私が製本の作業を任された時に分かった。過去の雑誌を1年分集め、一つの本を作ると言う作業であるが、この過程で私は何百という雑誌をチェックした。お陰で、この図書館がどのような資料をもっているのかと言った知識を得ることが出来た。そして、スタッフの膨大な知識の秘訣はここにあるのである。Reference libraryのスタッフはlending libraryのスタッフとは異なり、選書から購入、受け入れまで、自分たちで行なっている。そうした過程で、どのような資料があるのか、どの資料が質問に対して有効的に使えるのかを、自然と把握していくのである。
 また、このreference libraryでは、lending libraryよりもカウンターが込み合わないということもあり、スタッフと話をする時間も多くとることが出来る。こうしたスタッフの方との触れ合いは、何よりも素晴らしい私の経験である。
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『今』をくれたインターンシップ

 1年間の英国生活、6ヶ月のインターンシップが終わった。日本に帰ってきた今、長い夢から醒めたような気分である。私のこの1年間は、人生を1年に凝縮したような時間であった。私生活の面においても、インターンシップの面においてもである。
私生活のことを語るのは、少し気が引けるので、今回は、インターンシップのこと、図書館のことについてお話をしようと思う。
私は、図書館でインターンシップをしていたのだが、特にポジションを与えられて仕事をしていたわけではない。研修生として、出来る限り多くのことを経験させてもらった。その図書館内の業務だけでなく、各図書館のマネージャーが集まる会議に出席したり、同区内の図書館の行事、また、他区の図書館に見学にも行った。また、働いた3つの図書館のうち、1館が貸出図書館、他2館が参考図書館であったため、両タイプの図書館を経験することが出来た。特に、日本にはめずらしい参考図書館での経験は、渡英前から私が望むところであり、学ぶべきことがたくさんあった。
インターンシップを終えた今、私は2つの大きな成果を得ることが出来たと思っている。
まず、図書館内業務の全体的な流れを知ることが出来た。日本の図書館で働いていても、各部門に分かれて作業をするため、中々全体的な流れを把握するのは難しいのである。
次に、帰国後何をしたいか、具体的なアイデアを得ることが出来た。帰国後といっても、帰国直後のことではない。10年、20年後、自分が図書館に携わる仕事をしたときに、どのように図書館を向上させていくかというアイデアである。英国の図書館は、日本と異なる部分がたくさんある。そこには、日本の図書館よりも、優れていると思われる点もたくさんあった。その点を、ただ模倣するだけでなく、どのように日本の図書館に反映させることが出来るか、英国滞在中の私の課題であり、少しずつ私の中で形になり始めている。
最後に、現在の私の状況について、少しお話したい。私は、現在某大学院の図書室で働いている。小さな図書室であるが、今年4月に開室したばかりである。現在、手探り状態であるが、立ち上げ作業に携わることが出来、刺激的な毎日である。正直、このインターンシップがなければ、この図書室で働くこともなかったと思う。英国でのインターンシップは、確実に今の私に影響を与えている。
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「1年間を通して得られたこと」

 昨年4月にワシントンD.C.に降り立った時には、まさかこんな素晴らしい一年を過ごすことになるとは夢にも思いませんでした。1年間を通して得られたことは「人との出逢い」と「確実なキャリアアップ」です。
 この1年間の生活は全て、人との出逢いの繰り返しで成り立っていたといっても過言ではないと思います。たくさんの人の生き方や人生の選択を見たり聞いたりして、自分の考えを広げていくことが出来ました。私の人生に大きな影響を与えたことは間違いないです。特に同じ会社の日本人の方達の話はとても貴重なものです。苦労していない人はいないですし、それを乗り越えた人達です。
 新卒・無経験・無資格にもかかわらず、今の法律事務所で働いていることはまさに棚ボタ的奇跡でしょう。しかも特許法律事務所としてはランキングが全米30位ですのでキャリアとしても認められます。また、特許分野での研修を通して得られたものは「仕事のスキル」です。まだもう少しトレーニングが必要な部分もありますが、専門用語を理解できますし、確実にスキルを蓄えてきました。気持ちの上でもそうですが、スタッフの対応は既にインターンではなくレギュラーの一員としてみてくれています。
 今後の課題は、語学力です。意思疎通はできているので他の人は私が英語を話せているといいますが、私自身が自分の語学力に納得できていないのでこのまま努力し続けるのみです。時間がかかることは分かっていますので、意識しながら、しかし、楽しみながらということは忘れずにやっていきたいと思っています。
去年の一年間がどのようなものになるのか見当も付かなかったのと同じように、今2年目の春も何が待っているかわからないワクワクした気持ちでいっぱいです。