英国建築実習

 体験談 染川さん(2005年4月から12ヶ月間研修。摂南大学出身)

私がロンドンの設計事務所での研修を通じて得られたことはたくさんあります。6ヶ月というのは予想以上に早く、英語でのコミュニケーションは研修終了時未だに不安は残っていました。しかし日々少しずつ成長しているのは他のスタッフと会話する時に感じ取ることができました。私の英語力が上達して口数が増えていくにつれて、彼ら自身のプロジェクトについて時折私に意見を求めてくるようになりました。そうして他のスタッフと共同で作業を進めていくことも多くなっていきました。その際、ディレクターと我々アシスタントの意見が折り合わず、口論とも言える議論まで発展することも少なくはありませんでした。結局我々は彼を説得するまでには至らなかったのですが、例え相手が上司であっても納得するまで自分の意見を展開させることが、日本のそれとは大きく違いました。

そして私は研修開始時からイギリスと日本の建築がどう違うのか見いだそうとしていたのですが、基本的な考え方は全く同じです。推測にすぎませんが、私の事務所の場合、多くの住宅のプロジェクトが一から始めるのではなく、既存の建物を作り変えるコンバージョン、リノベーションでした。100年以上前の建物の内部空間だけを作り変えて継続して使い続けるというのはイギリス、特にロンドンではごく一般的なことなので、そこから空間の概念の捉え方の違いが生じているのではと考えています。

建築を外国で学ぶことは半年の研修では短いものでしたが、構造エンジニア、照明デザイナー、アーティストとのミーティング、また数々のプロジェクトを通じて建築だけでなく、非常に多くのことを学べたように思います。

私生活のなかでも友人となぜイギリスに来たのか、将来の夢など様々な話をしました。一年というのは彼らとの別れには早すぎましたが、このイギリス生活の一年間で多くのものを得られました。英語生活の中で得た一番大きかったことは、“ 自分を表現する”ことだったのかもしれません。
(2007年4月)